kohitujiのブログ

夫は天国へ旅立ち、重複障害、最重度の息子と私の二人に。淋しさの中に神様にすがる日々。

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「妻を看取る日」がんセンター名誉総長

喪失と再生の記録、という本を読み切った。垣添忠生さんが癌の治療と研究をしておられ
ご夫婦で幸せに暮らす中で奥様が肺癌になり治ったと思ったら転移しての繰り返しの中で
入退院しながらも癌に蝕まれ年末に一時帰宅されたものの大みそかに息を引き取られた。


亡くなられた時の哀しみ苦しみ切なさ痛いほどわかりました。体がもぎ取られた気がする
と書かれていましたが、ほんとうに私も同じでした。お子さんがおられずいつもお二人で
旅行に山登りにカヌーに等と過ごされていたけれど一人になってしまった喪失感をお酒に
頼っているしかないと思われた。葬儀はなさらず職場の一部の方に伝えただけだったと。


仕事に没頭しても自宅に帰れば哀しみばかり、未来を考えるようになるのに1年かかった。
奥様が絵がお好きなのを思い出し遺作展を開こうと思いついて銀座の画廊で開かれた。
展覧会に合わせて作品集も作り奥様と一体感を味わうことができ充実した時間になった。


哀しみは紛れることなくドップリ哀しみに浸っていたことが回復への近道。奥様への愛を
感じました。私も夫に別れの哀しみを味わって欲しくないと思った。夫婦っていいなあ。
久しぶりに本を一気読みし私もここまで生活が落ち着き始めて来たと嬉しくなりました。


我が身を顧みたら神様が息子を残してくれた、夫が最後まで気にかけていた大事な子。
意識の薄れた時に耳元で「健ちゃんは私が看るからね。大丈夫よ」と語り掛けたら涙を
滲ませた夫。心電図モニターが動いたこと忘れません。おかげで立ち直り早かったです。
大切な息子を未熟な親たちに預けてくださり、神様にありがとうしかないです。